リボ払いって危険なの?悪いの?リボ払い、正体が判れば怖くない
リボ払いとは英語の「リボルビング(revolving)」が由来となっています。アクション映画やゲームが好きな人なら知っていると思いますが弾倉が回転するタイプの拳銃をリボルバーと言いますよね。意味としては「回転する」ということですが、借金地獄の中を回り続けて抜け出せないという意味ではありませんよ。
けれども、最近は「リボ払いは危険」「借金地獄に陥る」「利息を払い過ぎていませんか?」などのネガティブな情報が多いようです。そんなに危険なシステムなのでしょうか?今回はこの「リボ払い」について正しい知識を紹介しようと思いました。
まず大前提としてクレジットカードでショッピングをすることも、カードローンでキャッシングして買い物をすることも、ローンを利用して分割払いで購入することも、ツケ払いで洋服を買うことも全て借金であることは判りますよね。リボ払いは、何種類かあるお金の支払い方法の一つであって欧米では昔から利用されているシステムです。国民生活センターへの相談数も最近増えているそうですが、トラブル原因の一つとして私は親や学校などでお金に関する教育がなされていないことが関係するのではと思っています。
だって、ナイフはアウトドアでは無くてはならない便利な道具ですが使い方を間違えると自分がケガをします。PCと同じような機能が凝縮されたスマホはポケットに入れて持ち運びができて通話まで出来ますが、SNSなどで使い方を間違えると個人情報が流失したり犯罪に巻き込まれてしまう可能性があります。自動車だって好きな時間に好きな場所にプライベートな空間を確保したまま移動できますが、一瞬の気の緩みで他人の生命を奪い運転者の人生を終了させてしまう危険な道具にもなります。
便利と危険は常に表裏一体なことであり危険な部分ばかり誇張しているマスコミなどに、どうしても私は違和感を覚えてしまいます。
「突然、冷蔵庫が壊れた」お財布ピンチだけどどうしよう?
電化製品が突然壊れてしまうことを経験したことがあると思います。例えば急に冷蔵庫が壊れて10万円の商品を購入するとします。キャッシュで10万円を払っても今月の生活に全く心配が無い人は現金、デビットカード、クレカの1回払いなどの方法で購入しますよね。しかし、消費者の全てがこのようなお財布事情ではありません。「5万円までなら現金で払っても問題ないが、10万円全てを払ってしまったら次の給料日までやりくりができないな」とかか考えますよね。そこで選択肢は3つあります。
1.残り5万円が貯まるまで購入をあきらめる。
2.頭金として現金で5万円を払い残りの5万円を分割払いにする。
3.さらに突然の出費があったら困るので、とりあえず10万円全額を分割払いで支払って余裕がある月は積極的に繰り上げ返済する。
私は、全てのパターンが正解だと思います。
1のパターンは堅実ではあると思いますが、お金では買えない「時間」の損失がありますし何ヶ月か冷蔵庫無しの生活はかなり大変だと思います。不便を感じないで生活できたらかなりのミニマリストだと思います。
2のパターンは一見、慎重なように感じますが更に突然の出費に遭遇したら困ってしまいますよね。
3のパターンが実は総合的に考えると最もバランスが取れているかなと思います。
リボ払いのシステムを少し解説します
審査で通った枠の範囲であればどんなに買い物をしても「月々の支払い額が一定」であるということがリボ払いの特徴です。
リボ払いで10万円の商品を購入すると怖いのか?
リボ払いで購入する場合(審査時の条件が金利15%)
3,000円に設定すると返済回数は44回で支払総額130,139円
5,000円に設定すると返済回数は24回で支払総額115,782円
10,000円に設定すると返済回数は11回で支払総額107,497円
20,000円に設定すると返済回数は 6回で支払総額103,923円
となります。
ショッピング・クレジット(ローン)で購入する場合
10回払いで金利が実質年利8.81%とすると
1回目が10,480円で2回目~10回目が10,400円となり
支払総額は104,080円となります。
月々の支払額を3,000円ぐらいに抑えるには36回払いになります。
その時は実質年利9.00%となり
1回目が5,640円で2回目から36回目までは月々3,100円の支払いで
総額は114,140円となります。
月々の支払金額が同じでも支払い総額が異なることは一目瞭然ですね。
月々3,000円ぐらいの場合の総額がリボは44回で130,139円に対しローンは36回で114,140円なので約16,000円の差。
月々10,000円ぐらいの場合の総額がリボは11回で107,497円に対しローンは10回で104,080円なので約3,400円の差。
もちろん、同じ商品を買うのであれば少しでも安いにこしたことは無いですが、月々の支払額を多くして短い回数で払えば、そんなに騒ぐほどの差が無いと思いませんか?10回、11回ぐらいであれば約3,400円の差なので月に換算すると340円の差でしかないですよね?怖いとか危険なほどの差は無いですよね。
50万円の買い物の場合、リボ払いは怖いのか?
ではリボ払いの限度額が50万円と審査されれば50万円ギリギリまでお金を使うことはできます。
1回の返済を10,000円と設定していた場合は10万円使おうが50万円使おうが月々の支払いは確かに10,000円です。しかし、50万円分の買い物をした場合は、金利15%で月1万円のリボ払いだと支払い総額は789,501円で完済するまでの回数は79回と6年と7ヵ月かかります。
対してローンで、10万円の物を別々のお店で5つ購入したとします。金利が全て上記の例と同じだった場合は単純に5倍となるので10回払いなら月々の支払は10,400円×5個なので52,000円となります。支払ができないのですぐにパンクしますよね。完済できたらの話ですが支払総額は537,485円です。
36回払いなら3,100円×5個なので月々は15,500円なので支払できそうですか?総額で570,700円となります。
確かにこれぐらいの金額になると圧倒的にリボ払いは手数料が高いですね。
なんでこんなに高いの?
だって6年と7ヵ月も借りるからでしょ!!
正体が判れば怖くないぞリボ払い
悪いのは「リボ払い」のシステムでは無くて、長期期間の借金をするとそれだけ利息が多くかかるという単純な算数の話だけじゃないでしょうか?
ローンが怖くないって言われるのは月々の支払額が増えるので、「これはヤバイ」「払えなくなるぞ」ということが判りやすいというだけではないでしょうか?
買い物した金額が増えているのに支払額が以前と変わらないのであれば、支払回数(期間)が延びているだけなのは判りますよね?リボ払いは引き落とされる金額が一定なので感覚がマヒしやすいと言われますが、どう考えても収入が増えていないのであれば沢山の買い物をして借金が増えていないはずが無いでしょ。そのお金はどこの誰が立て替えて払ってくれたの?手数料も無しでお金を立替えて払ってくれる人はいないでしょう。
人のせいにしてはダメですよ。
金利の影響はパーセントよりも期間の影響が大きい
金利による手数料の違いを大きく感じるのは借りる金額にもよりますが、何年間借りるのかという期間の問題が大きいですね。1年以内程度であればビックリするような差は無いと思いますよ。買い物をする都度いちいちローン会社に審査をしてもらってから購入するのが良いのか、買い物の予定が無くても時間がある時にリボ払いのカードの審査を受けておけば、いざピンチという時にスムーズに買い物を済ませて用事をサクッと終わらせる方が私はスマートだと思います。
ボーナスの支給がある会社であれば、月々の支払は無理なく少な目に設定しておいて、ボーナスでどんどん繰り上げ返済すれば短期間で完済して金利負担もそんなに感じないと思います。
時間は金で(金利)で買うことができる
リボ払いの限度額は
「あなたの銀行口座にその金額のお金が入っていることではなくて他人のお金で借金である」
という認識を強く持って収入以上の買い物、浪費はしないよう注意してください。お金は長期間借りるとそれだけ金利(手数料)を多くとられるます。月々の支払額が一定のリボ払いの場合は、ほぼ金利だけの支払いになってしまって元金が減らなくなります。
クレジットカードの1回払いと違って上手に使えば少し大きな買い物をしても安心です。なぜなら月々の支払額は一定なので収入が安定していれば、給料のやりくりに頭を悩ませることも無く月末を迎えることができます。
手元にお金が無くても先に商品を手に入れられるので時間を有効に利用して、趣味や仕事に打ち込んで楽しい人生を過ごしましょう。時間を金利(手数料)で買ったと考えれば納得できると思います。そして余裕がある月には多く返済してなるべく短い期間で完済することがリボ払いという商品の特徴であることを理解して活用してください。
いざという時のピンチに頼れるのはリボ払いができるカードやキャッシングなので、時間がある時に念の為の1枚として作っておいても損は無いと思いますよ。もちろん使わなければ支払いは発生しないのでお守りとして置いておけばいいと思います。