第7回 投資とギャンブルの違いは何か?答えはリスクコントロールだ!
あんたの言っていることはだいたい判ったけど「ギャンブルと同じではないか?」と考える人もいると思います。極論ですけど私は生きているだけで人生ギャンブルだと思いますよ。10分後に突然大震災で去年30年ローンを組んで買った中古マンションが崩れるかも知れないし、集中豪雨で川が氾濫して流されてしまうかも知れないし、ブレーキとアクセルを踏み間違えたクルマが歩道を歩いていたら突っ込んでくるかも知れないし、投資も株を買った(売った)瞬間に思惑と逆の方向へマーケットが動き出すかも知れないです。
今の世の中には北朝鮮のICBMミサイル問題、アメリカのトランプ政権、ユーロの崩壊、イスラム国を始めとする大規模テロ、安倍政権も怪しく・・・次の悲観的な材料は探せばいくらでも世界中にも転がってますよ。
だけど交通事故に遭うのが怖いから家から出ることは止めよう、海外は怖いから海外旅行は一生行きたくないと考えたら安全かも知れないですが私は寂しい人生だと思いますよ。人によってどれぐらいのリスクを取ることができるかという線引きは異なりますが、ケガや病気については生命保険や傷害保険、自動車を運転するなら自動車保険、海外へ出掛けるなら海外旅行保険などに加入して大抵の人は保険をかけてリスクをヘッジしてますよね。
このように想定されるリスクに対して事前に最小限に損失を抑えること、つまりリスクコントロールができていることはギャンブルでは無いと私は思います。株価だけでなく人生は、いつも自分が想定している方向のみに動く訳ではないですから。
でも「絶対に損を出したくない」と心配な人は投資はしないほうがいいです。また仕事中に自分の株は今いくらなのか?どれぐらい損しているのか?気になって気になってしかたが無いというタイプの人は仕事に影響が出るので絶対に止めたほうがいいです。
サラリーマンをやめるなよ!!絶対に専業トレーダーはやめておけ
少しでも小遣いを増やしたいと思っているならば私から一つ忠告だけしておきます。投資で成功しても絶対に専業トレーダーになろうと思わない事です。つまり会社を辞めて投資からの収入だけで生活することは考えない方がいいですよ。タイミングがいいと投資での収入が給料を上回ることは結構あります。これなら会社に勤めなくても株だけで食っていけると思う人の気持ちは良く理解できます。
しかし会社からは多くは無いかも知れないですが定期的に給料という収入があり、社会保険や厚生年金もあるはずです。株式投資で不定期で臨時に収入が入ってくるという状況は収入を得る手段が分散するという大きなリスクヘッジが自然にできているのですよ。
感のイイ人なら判ると思いますがサラリーマンをしているだけで物凄いリスクヘッジが自然とできています。「1ヵ月に1回焼肉を食べに行くのではなくて2回食べにいきたいな」とか、「1年に1回は毎年海外旅行に行きたいな」とかいろいろ欲望はありますよね。
万が一ですが投資で損失を出しても給料の範囲での生活には全く支障は無いですよね。これが専業トレーダーだったら今月は収入無しとか収入がマイナスということもありますよ。この差が実はメチャクチャでかいのです。「第4回で心理戦を理解しろ」と書きましたが私達は機械ではなく人間ですから、精神状態が不安定だと合理的な判断ができずに大失敗することがあります。サラリーマンで兼業トレーダーは最初から保険がかかっていて有利な状態です。5,000万円、1億円ぐらい貯まったらその時には退職を考えてアーリーリタイヤしてもいいのではないでしょうか?
大きな損失を出さないためのリスクコントロールは簡単
最初に結論から書きますと「逆指値」を設定しておきます。絶対に絶対に必ず事前に指してください。大切だから何度も言いますがチャートは過去の値動きについて判りやすく表示させただけなので、未来の株価の動きを予測することは完全にはできないからです。
例えば現物取引としてある会社の株が上がりそうだと思ったとします。先週は450円だったけど今は530円だったとします。だったら510円まで下がったら買おうと決めます。1,000株単位だった場合の投資金額は510,000円ですよね。面倒なのでここでは手数料については割愛して考えてください。51万円を使っていくらの利益を出したいですか?2万円ぐらいの小遣いが欲しいと思ったら530円で売ればいいですよね。逆にどれぐらい損したら困りますか?例えば1割の損失(50,000円)までなら授業料としてなんとか許せると考えます。
まず510円で1,000株の「買い指値」に組み合わせて530円の「指値売り」と460円で「逆指値売り」と1回の買い注文に対して同時に2つの売り注文を事前に出しておきます。これに期限という時間の注文もあるのでまずは「今日中」で発注します。
株の注文は価格と時間の2つがとても大きく影響するということは知っておいてください。
価格と時間の強弱ルール
同じ価格の注文であれば時間が早い人達の注文が優先されます。例えば、あなたより1秒でも早く510円で買いと考えた人達の注文の合計が100,000株あったとします。この10万株以外はあなただけだとすると全員で101,000株の「買い注文」がある状態です。あなたの思惑が当たって株価が510円まで下がったとします。もう少し判りやすく書くと510円で売りたい人が売りの注文を出したということです。この「売り注文」が何株あるのかがポイントで100,000株だった場合は、あなたより先に注文を出した人達は全員が買えてあなただけ買えなかったことになります。そして二度と510円の値段は付かずに550円も突破して今日の終値は560円でしたなんて意外とありますよ。16時頃に仕事もひと段落して今日はどんな相場だったかな?とスマホを見てみると「おっ、安値は510円?終値が560円!!やったぜ2万円ゲット!!あれ?なんで約定のメールが入ってないの?なにが起きた?」
買えなかったのですよ、トホホ・・・とっても悔しいですが考え方は合っていたので落ち込むことはないですよ。相場は明日も来週もありますからチャンスを待ちましょう。
この場合で逆にモニターを見ていた場合は強いなと思った場合は買い指値を520円、売り指値を540円、逆指値売りを470円と全て10円瞬時にずらすこともありだと思います。しかし、慣れるまでは追いかけていくことは止めたほうがいいです。理由は「瞬時に」という時間のことですが本当に一瞬で値段が変わります。大量に資金があるプレーヤーはコンピューターで自動でやってるので素人の手入力では10円ずらして買えず、20円ずらして買えず、30円ずらしてとズルズル上がってなかなか買えないというパターンが多いです。510円で買いと考えていたので30円高い価格は540円ですよね。560円が終値だったら大丈夫じゃない?予定通り20,000円儲かったのにと考えてしまいがちですが、それは結果論であってあなたが売りと考えていたのは530円ですよね。540円での買いは最初に決めた額より高いのでリスクは大きくなりますよ。熱くなって追いかけないように絶対に注意してください。それより読みが合っていたことに自信をもってください。買えてないということは資金が増えもしないですが減っても無いので次回に挑戦でいいでしょう。例として現物株で説明しましたが日経ミニでも同じことです。専業トレーダーじゃないんだから生活に影響ないでしょ、だから兼業トレーダーの方が精神的に絶対に優位なのですよ。第4回で書きましたが株は一種の心理戦ですから精神的に余裕がある状態で参加しなければダメですよ。
価格については簡単ですよね。このように高い価格の注文のほうが時間より優先して処理されていきます。
最後にもう一度書きますが「逆指値」は必ず使ってリスクコントロールをして下さいね。